HOME > DARLING > 5/31朝日新聞「うまいもん」堂本剛


イカ焼き 歌手・俳優 堂本剛さん(25)

 どうもと・つよし 奈良市出身。堂本光一さんとのデュオ「KinKi Kids」で活躍。25歳。

イカ焼き
焦げるソースが香ばしい。
関西の庶民の味=時津剛撮影

 イカ焼きが好きだと聞いた。大阪から持ってきたと伝えると「えっ!東京にきてから食ってない」。
多忙なスケジュールで疲れ気味の表情が一瞬、ゆるんだ。

 「ソースとのマッチングがいいんでしょうかねえ。ちょっと甘めの」。
でも味よりも忘れられない理由は「おかん」がよく買(こ)うてきてくれたから。

 お母さん子だと自分で言う。食べ物の好みも似た。肉好き、甘いもん好き、酒はあんまり。
「おかんの食べるもんを食べて育ったようなもんやね」

 中学生で、ひとり上京した時は「心配でしゃーなかった」と後から聞いた。
今も週1度は電話する。「子供のことより、これからは女として生きていってほしいわ」。
イカ焼きの話は、おかんの思い出話になってしまった。

 イカ焼きときいて、姿焼きを思い浮かべた人。関西人じゃありまへんな。

 日に1万3千枚売れるという大阪・梅田は百貨店地下にある、ご存じ「阪神名物いか焼き」。

 お、並んでる並んでる。「まだまだ。85メートルも行列するんです」。
この道20年の坂元香店長(45)は余裕の面持ちで客をさばく。
買い物帰りの昼下がり、子どものおやつに買い求める母親が多いらしい。

 看板を掲げたのは57年。当時は1枚10円で、阪神電鉄の初乗り運賃と同じ。
「1区間でおなかいっぱい」がうたい文句だったとか。
いまも126円、卵入りデラックス版が179円と庶民価格。

 つくりかたは単純。1.5センチ角に切ったげそ、小麦粉、調味料を1分半混ぜて生地にし、焼くだけ。

 バネのついた特製鉄板イカ焼き機で、じゅ〜っとプレスするところがミソ。
210〜220度の赤外線と1分半加える圧力が、もちもちした生地にイカのうまみを閉じこめる。
甘酸っぱいソースをさっと塗り、半分にたたみ、はい!

 大阪出身で横浜在住のイカ焼き研究家、山村誠さん(47)に聞くと、
イカ焼き屋は50年ごろ生まれたらしい。安い、うまい、早い。
並んでも10分も待たない元祖ファストフードは「いらちの大阪人にぴったり」。

 阪神百貨店では02年、歳暮用に初めて冷凍パックを置いたところ、売り上げ1位に。
この2月には、贈答コーナーも設けた。関西を離れて暮らす子供や友人に送る人が多い。
イカ焼きのにおい懐かし母便り、なのかな。(河合真美江)

(2004/05/31)



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